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2024.12.11
「全国部落調査」復刻版出版事件裁判で最高裁が上告の棄却を決定
「全国部落調査」復刻版出版事件について、12月4日付けで、最高裁判所は上告棄却の決定を出しました。
2023年6月28日、東京高裁判決が出され、原告と被告の双方から上告していたものです。
最高裁は今回、上告の「事由に該当しない」などとして棄却決定を出しました。
「差別されない権利」を訴えてたたかった原告らの主張をすべて認めたわけではありませんが、
部落差別がまだ存在すること、差別が人生に与える影響の甚大さ、インターネットでの情報流通での部落差別投稿が多発している状況など
的確に指摘し、部落がどこにあるのかを示す情報は、私生活の平穏を侵害するもので、
被告らによる差別図書の出版を差し止めるべき、とした東京高裁判決が確定しました。
東京高裁では、憲法13条の個人の尊重と14条の平等原則から、人には誰しも差別されない人格的利益がある、と指摘。
この判断は、弁護士や研究者に大きなインパクトを与えるものでした。
部落民だけでなく、人間は本来、差別されてはいけない。この当たり前の考えを、社会に根付かせていかなければなりません。